NHK MANUFACTURING (M) SDN BHD様は日本発条株式会社様のマレーシア現地法人です。1994 年にマレーシアのセレンバンにセナワン拠点を設立し、メタルサブストレートの製造を行っています。近年のASEANエリアでの半導体需要の高まりに合わせ、今回敷地内に最新のクリーンルーム性能を備えた工場を増築いたしました。
当社はNHKM様からご依頼いただき、増築計画に先立ち参画し、新規工場のフィシビリティスタディ、入札、施工者選定、コストダウン提案およびコスト評価、基本設計、実施設計のサポート、工事中の常駐体制による品質監理を行っています。この度、2024年8月に無事竣工を迎えました。
◆今回のプロジェクトの特徴について◆
プレキャスト床工法とBIM を採用し、施工工期を短縮
このプロジェクトでは、プレキャスト床工法とBIM(Building Information Modeling)を採用し、設計・施工の精度を高めるとともに、工期短縮とコスト削減を実現しました。 プレキャスト床工法により、床部分の施工を効率化し、工期を大幅に短縮しています。これは、時間とコストの節約だけでなく、工事全体の進行をスムーズにする重要な要素でした。
BIMは、設計段階での高度なシミュレーションを可能にし、クリーンルーム設備の施工時に特に役立ちました。3Dモデルを使って構造と設備の配置を細かく確認し、設計精度を向上させたことにより、現場での調整作業や誤差を最小限に抑えました。
WWTP, DI&DOシステム、スクラバー、オフィス家具等を分離発注しコストダウンを図る一方、PlusPMは施主に代行しメインコントラクターと連携し、設計・施工のマネジメントを行った
このプロジェクトの特筆すべき点は、WWTP(廃水処理プラント)、DI&DO(超純水システム)、スクラバー、およびオフィス家具の分離発注によるコスト削減です。これにより、資材や設備をより適切なコストで調達できました。また、Plus PMが施主の代理として、メインコントラクターとの連携を密に行い、設計・施工のマネジメントを効果的に進めました。この管理体制により、コスト管理だけでなく、品質管理と工程管理も徹底され、2024年8月の工場竣工に至るまで、順調にプロジェクトが進行しました。
この新工場の竣工により、NHK MANUFACTURINGは今後ますます需要が高まる半導体市場において、迅速かつ安定した供給を行うための基盤を確立しました。また、同社の成長はASEAN地域全体の産業発展にも貢献し、将来的な技術革新とともにさらなる発展が見込まれます。