MM2H(マレーシアマイセカンドホーム)一時凍結

10月 5, 2018

日本人にも人気の制度である”MM2H”が間も無く一時凍結される予定です。
この決定は、増え続ける中国人移住者への抑止力であるとされています。

発端は、2018年8月にマハティール首相が中国のデベロッパー碧桂園が手がける1000億ドル規模のフォレストシティプロジェクトに対し異議を唱えた事から始まりました。
フォレストシティプロジェクトは、ジョホールバルのシンガポールに近い位置に人工島を作り、外国人、特に中国人移民を想定したプロジェクトです。

ナジブ前首相の政権時代には、フォレストシティの購入者にはマレーシアの市民権が与えられる」との噂まで流れ、2016年のオープン当初は、中国人の投資家を乗せたバスが連日行き来を繰り返し、大変な盛況を見せていました。
2017年 中国からの投資規制がなされ、来客数は急速な減少を見せましたが、それでもフォレストシティ購入者の8割は中国人が占めている現状です。

私も一度フォレストシティのショーユニットを訪れましたが、現在の中国高速鉄道の終点である昆明から、将来的にシンガポールに向けて延伸した場合、調度その通過点にこのプロジェクトがあり、フォレストシティが一帯一路の国家戦略プロジェクトの一貫であるかの様な説明を受けました。
きっと、あの説明を聞いた誰もがシンガポールの目と鼻の先に中国人の新しい都市ができると思うことでしょう。

実際、市民権付与までは行かずとも、これを契機に中国人のMM2H取得者は増えるであろう事は容易に予測でき、これはマレーシア国内だけではなくシンガポールでも問題となっていました。

そして2018年8月、政権交代を果たしたマハティール首相は記者会見において、フォレストシティが自国民向けではなく、外国人向けの施設であることを強調。
外国人の不動産購入を規制する主旨の声明を発表しました。

実際に購入規制を行うと開発許可を巡り中国との国際問題に発展する恐れがあるため、MM2Hを一時凍結しようという動きになっています。現時点ではまだ閣議決定前ですが、凍結はほぼ確定の模様です。

凍結後、再開するとしても申請窓口は観光局から移民局に代わり、MM2H取得については厳しい入国審査を行うであろうと予想されています。

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