*2023年11月20日更新(2021年8月14日公開)
「インドネシア建設許可申請の進め方、全体の流れがわからない」
「インドネシア・ジャカルタの建設許認可申請について知りたい」
そんな疑問や不安をお持ちではありませんでしょうか?
インドネシア・ジャカルタにて建設プロジェクト立ち上げる担当者様に向け、インドネシア建設許可申請、官庁申請の流れ、ビジネスライセンス取得や許認可申請の注意点をまとめております。
本記事は、建設コンサルタントとしてプロジェクトマネジメント、コンストラクションマネジメントを提供し、企業様のアセアン進出・事業拡大を支援するPlus PM Consultant Sdn. Bhd.が作成したものです。
インドネシアにおける建築許可証 と確認済証までのスケジュール
ジャカルタでは建設開始前に、建築許可証 PBG (Persetujuan Bangunan Gedung)またはそれに値する許可証を取得する必要があります。建物使用が開始される前に、建築確認済証にあたる機能資格証明書 SLF (Sertifikat Layak Fungsi)を取得する必要があります
一般的に許認可手続きは工業団地用と工業団地外用に分けることができます。許可プロセスは自治体によって異なるため、本記事では外国投資の大部分が集中しているジャカルタ首都特別州について着目して説明します。
ジャカルタでは、PBGとSLFを入手する前に、関係諸官庁への個々の申請はほとんどありません。 ただし、許可プロセスと期間は非常に複雑であることから、通常、許可コンサルタントを任命し 官庁申請提出や承認のために当局との調整を代理してもらうことが多いです。
機能資格証明書SLF までは基本的に下記のスケジュールのようになります。
STEP1 | アーキテクト(設計士)が、レイアウト図や平面図を作成する |
STEP2 | 許可コンサルタントが建設許可申請と一緒に当局に提出する |
STEP3 | 当局担当者が現場を確認、評価する |
STEP4 | 建設許可証PBG 許可を受領する |
STEP5 | 工事着工 |
STEP6 | 竣工後、検査 |
STEP7 | 機能資格証明書SLFとSLO の発行 |
官庁申請に必要な図書について
インドネシアにおける建設許可手続きには、様々な設計者と当局が関与しています。
PBGを取得するまでに必要となる図書については以下のようなものがあります。 最初に求められる提出図面は建築関係の図面、地盤調査報告書、土地測量、詳細構造計算書と図面、MEP計算書と図面がメインとなります。生産機器やユーティリティ設備や消防設備などの詳細の情報は申請の中で求められ、初期の段階では必要とされていな場合が多いです
- SIPPT(土地利用用途)
- RTLB(ブロックプラン)
- KRK(計画)
- TABG-AP(サイトレイアウトや建築の平面図)
- TABG-SG(基礎および上部構造)
- TABG-ME(機械設備および電気設備)
上記に加えて 、プロジェクトの規模に応じて、以下も含まれることがあります。
- AMDAL (Environmental Impact Study:環境影響調査)
- ANDALALIN (Traffic Impact Assessment:交通影響評価)
- Peil Banjir (Flood Level:洪水レベル)
- IMP (Infrastructure Permit:インフラ許可)
- Dewatering Permit (with basement) 脱水許可証(地下室付き)
- KKOP (Height restriction:高さ制限)
- IPAL (Waste Water Treatment Plant:廃水処理プラント)
SLFとビジネスライセンス・事業許可について
インドネシア政府はOSS(Online Single Submission:オンライン・シングル・サブミッション)を通じてビジネスライセンス(事業許可)の申請を行うことが出来ます。
申請者が所在地許可 、建築許可、環境許可(必要に応じて)を取得後にビジネスライセンスは発行され、これらの許可はすべてOSSシステムを通じて、事業許可が有効になったことを通知します。
OSSシステムとは?
OSSシステムとは、2017年9月にインドネシアにおけるビジネスライセンスの手続を簡素化・迅速化し、より多くの直接投資を誘致するために設計されたインドネシア政府によるウェブベースのプラットフォームです。
行政機関間の連携が取れていない、 官庁手続きが遅い、情報透明性の不足、など多くの問題に対してのあった許認可手続きの解決策のために導入されました。
工業団地と非工業団地の違いは?
工業団地と非工業団地の違いは 、工業団地は道路や排水管、セキュリティ、電力と水道などのインフラストラクチャがすでにあることから、事業主のプロジェクトのリスクを低減することが出来ます。非工業団地ではジャングルを開拓して、複雑なプロセスをゼロから進めなければなりません。
工業団地のメリット
- 許可プロセスも複雑でなく、必要な書類さえ準備できればスムーズに進められる
- ファーストトラック建設(KLIK)によって建設許可を取得する前に、原則ライセンスだけで着工できる
- 電力や水道などのユーティリティの適用のための時間を節約できる
よって、工場や倉庫を設立する外国人投資家のほとんどは、工業団地を選択します。
インドネシアの土地選定の方法について以下のブログにまとめていますのでこちらをご覧ください。
インドネシア当局に申請する際の注意点は?
インドネシア建設許認可申請の進め方は、マレーシアやシンガポールなどのASEAN諸国とは異なり、アーキテクト(設計士)とは別に許可コンサルタントを採用する事になります。
また許可スケジュールは、施設種類、発注方式(設計施工分離や設計施工一括など)、事業主のスケジュールに従って考慮する必要があります。上記で述べたように、工業団地ごとに許認可のプロセスも変わるため敷地選定の進め方も重要です。
申請書類のすべての必要な要件を把握し、当局に良い協議交渉を提供することが重要です。 情報が不十分な場合、送信が拒否され、承認プロセスがさらに長くなります。 経験豊富な許可コンサルタントの起用が非常に大切です。
関係する官公庁
- 建設局Construction – Dinas Cipta Karya
- 消防局Firefighting –
- 消防局Firefighting – Dinas Penanggulangan Kebakaran dan Penyelamatan Provinsi DKI Jakartaもしくは地方当局による。 (例: Industrial Estate BEFA it is DAMKAR Kabupaten Bekasi.)
- 環境局Environment – Dinas Lingkungan Hidup DKI Jakarta、もしくは地方当局による。(例: Estate BEFA it is Dinas Lingkungan Hidup Kabupaten Bekasi.)
- 水道局Water supply – PDAM (Perusahaan Daerah Air Minum)
- 電気局Electricity – PT PLN (Perusahaan Listrik Negara)/ もしくはIndustrial Estateによる。(例:in BEFA there is Cikarang Listrindo instead of PLN, for industrial purposes only.)
- 電話局TEL – PT Telkom Indonesia もしくは Industrial Estate か地域による。 (例: BEFA には Telkomの代わりにKLBDがあります。)
- 下水道局Sewage treatment – Dinas Cipta Karya
結論、まとめ
- 建設用地は工業団地の用地を取得することを推奨
- 工事着工前に、建設許可証PBGの取得が必要
- ビジネスライセンス取得には機能資格証明書SLFが必要
- 官庁申請には設計士のほかに許可コンサルタントを起用する
- 工業団地ごとに、建設許認可申請、官庁申請のスケジュールについて規定されているため土地選定段階から注意する
インドネシア、ASEANにおいて建設投資をご検討中の皆様へ、
Plus PM Consultant Sdn. Bhd. は 建設コンサルタントとしてコンストラクションマネジメントの手法を用いて インドネシア・ジャカルタでのプロジェクトに取り組んだ経験があり、 コンプライアンスの設計をチェックし、各当局への提出プロセスを一連の順序に従って監視することで、許可手続きの正当なプロセスを確認することができます。
当社はインドネシアのプロジェクトで経験豊富な地元の許可コンサルタント、デザイナー、プロジェクト管理会社と協力してきました。
工場建設、倉庫建設、コンドミニアム建設、ホテル等、あらゆる建設事業に対応します。建設だけに限らす、建設投資全般に関する建設コンサルタント業務を提供しております。ぜひ、ご相談ください。
本記事はPlus PM Consultant Sdn. Bhd.がインドネシア現地の取材、および以下参考・参照の情報をもとに作成しています。
当サイトのコンテンツや記事において、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、記載内容について必ずしも正確性を保証するものではありません。無断転載は禁止いたします。
≫引用・参考・参照