Surau

1月 27, 2015

ムスリムが礼拝する部屋をSurauといい、マレーシアの公共施設には大抵このSurauの設置が義務付けられます。
Surauは男女別とし、裸足となる為、足を洗う水周りの施設が必要です。
Surauは空港や駅では大抵トイレに近接して設置されています。

先日、このSurauを含んだ施設を設計したのですが設計メンバーが日本人、インド人、中国人だったため、誰もムスリムの基準を知りませんでした。
慌ててムスリムのスタッフにチェックしてもらった所、Surauから見てキプラ(メッカの方向)の延長線上にトイレはあってはダメだという事が判り、Surauとトイレの関係を見直す事にしました。

思い込みは怖いですね。

キプラを示す方向はムスリムにとって重要な為、マレーシアのホテルの天井や床、場合によっては机の引き出しに方向を示すシールが貼られています。
マレーシアに訪れた際には探して見ると面白いと思います。

キプラを示す表示が無い時、ムスリムは専用のコンパスを使って礼拝の時間前にキプラを調べます。
余談ですがイスラム圏ではこのキプラを表示する腕時計が販売されています。
キプラの方向の自動感知、礼拝時間のアラーム機能、イスラム暦の表示を備えた優れもののこの時計、CASIOが2012年に発売し、2年で40万台以上を売り上げる大ヒットとなっています。
自社の登山者向け腕時計の技術を応用との事ですが、日本の技術はマーケテイングと発想の転換次第で海外の市場とまだまだ勝負できる余地があると感じました。

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