沈み行く都市ジャカルタ

3月 5, 2018

現在、私はジャカルタでコンドミニアムのプロジェクトの設計マネジメントをしています。
そこで面白いのは、ジャカルタの設計地盤面の検討です。

ここではまず、洪水のシミュレーションから全てを始めます。

ジャカルタは地下水の汲み上げ過ぎで地盤が下がり、土地の高さに対して海水面が異常に高くなっています。そして、今も状況は進行し続けており毎年ジャカルタ市そのものが平均7.5cmというスピードで沈下し続けているのです。

50年後には海抜 – 3mになるという話もあるほどです(笑)

これを防ぐため、現在5兆円を掛け湾岸に25mもの堤防と”神の鳥ガルーダ”を模した防波人口島を建設しています。

更にジャカルタのインフラ事情は悪く、特に雨水に対する排水処理が上手く機能していません。

沈下し続ける地盤、機能していない排水処理、このような理由からジャカルタでの地盤面検討には洪水シミュレーションが重要なのです。

ところが驚いたのが、肝心の排水許可をチェックする部署が役所には有りません。

許可は今も民間のコンサルタント会社が行っています。

よく言えばアウトソーシングなのですが、今に至るまで都市としてのインフラのマスター計画を立てていないという事でもあります。

役所不在の無秩序な土木計画によりそのまま都市化してしまったのが今のジャカルタなのです。

50年後、この都市はどうなっているのでしょうか…。

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