「インドネシア建設業界の最新情報をご紹介!」
インドネシアの建設業界に関する情報や経済動向について知りたい方に向けて、2024年のインドネシアの基礎情報や建築の法令、資格制度、建設コスト、そして現地に法人を持つゼネコンに関する情報をまとめました。
この記事は、アセアン・アジア圏における建設コンサルタントとして活躍している、Plus PM Consultant Sdn. Bhd.が提供するプロジェクトマネジメントやコンストラクションマネジメントに関する情報です。私たちは企業のアセアン進出や事業拡大をサポートしています。
インドネシアへの事業進出や事業拡大を検討されている方々に、有益な情報を提供していますので、ぜひご覧ください。
基礎情報
基礎データ
- 面積 約192万平方キロメートル(日本の約5倍)
- 人口 約2.78億人(2023年、インドネシア政府統計)
- 首都 ジャカルタ(人口1,074万人:2022年、インドネシア政府統計)
- 民族 大半がマレー系(ジャワ、スンダ等約300種族)
- 言語 インドネシア語
- 宗教 イスラム教 86.93%、キリスト教 10.55%(プロテスタント 7.47%、カトリック 3.08%)、ヒンズー教 1.71%、仏教・儒教 0.82% (2021年、宗教省統計)
建築関係の法令
技術者・技能者の資格制度はどんなものがありますか?
インドネシアにおける建築関連資格制度については、建築士制度があります。この資格を持つ者は建築士(アーキテクト)として、日本における一級建築士と同様に、社会的責任が大きく求められます。例えば、工場や倉庫の建設に際しては、建築許可書(PBG:Persetujuan Bagunan Gedung)や機能資格証明書(SLF: Sertifikat Laik Fungsi)の申請を行う権限があります。
したがって、インドネシアにおいて建築プロジェクトを進める際には、設計や施工の担当者の資格状況を確認することが重要です。彼らの資格は、プロジェクトの遂行や建物の安全性などに直結するため、適切な選定が必要です。
Professional Architectの資格要件
インドネシアの建築士は、次の3つの条件を満たす場合にプロフェッショナルな業務を許可されます。
- 業務期間中、インドネシア建築家協会(IAI: Ikatan Arsitek Indonesia)の会員に該当すること。
- 建築士の証明書を保有していること。資格保有者は、マスターアーキテクト、アソシエイトアーキテクト、ヤングアーキテクトいずれかの証明書を保有すること。
- アーキテクトは、政府が発行するSIBP(Surat Ijin Bekerja Perencanaan)というコンサルタント業務許可証を保有すること。 ただし、SIBPは、ジャカルタなどの特定の自治体内でのみ必要で、その他では上記1と2のみが必要。
その他の建設関連の登録機関
- 構造エンジニア関連 インドネシア土木構造工学会(HAKI)
- コンストラクションマネジメント関連 インドネシア建設管理専門家協会(HAMKI)
- 設計コンサルタント登録関連 インドネシア全国コンサルタント協会(INKINDO)
建築基準はどんなものがありますか?
建築法
インドネシア政府(中央政府)が定めた建築法(Building Law)に基づき、各地方政府が個別の許認可を管理しています。工業団地においては、独自の建築基準が設けられています。建設プロジェクトでは、建蔽率や容積率、セットバック、環境基準などの規定を遵守する必要があります。一般的に、工業団地ではジャカルタ市内で建設する場合と比較して規制が緩和されており、役所申請の手続きが簡略化されています。
建築標準規定
インドネシア国家標準規格(SNI: Standard National Indonesia)があり、建材や耐震性能についてはSNIの指針を参考に仕様選定や構造計画を行う必要があります。その他、設計段階では、各部単体や機器の仕様については、米国規格、日本規格などをベースにして、設計コンサルタントが仕様標準を設定して運用している案件も少なくありません。
環境法
事業内容によって、環境許可を取得する必要があります。環境に影響を与える事業活動を行うには環境影響分析(AMDAL: Analisis Mengenai Dampak Lingkungan)が必要です。また、環境影響分析を必要としない事業活動には、環境管理への取り組みと環境モニタリングへの取り組みの文書化(UKL: Upaya Pengelolaan Lingkungan / UPL: Upaya Pemantauan Lingkungan)が必要になる場合があります。
建設コスト情報
以下は、2021年時点におけるインドネシア・ジャカルタにおける建設コスト情報をまとめたものです。用途別の延床面積単価(IDR/m2)が記載されています。最新のコスト情報を知りたい方は、Plus PM Consultant Sdn. Bhd.へご相談ください。
上記費用には生産機械設備、外構費、什器備品、役所申請費用などは含まれておりません。
建設業界の概況
インドネシアの建設技術レベルは?どんな特徴があるのか?
インドネシアでよくある設計・施工品質に対する課題
- ゼネコンによっては、契約図書や設計図書の内容への理解に不安があり、図書どおりの工事進捗管理が難しく、工期、品質において不完全な状態(条件付き)での引渡しを余儀なくされることがある。
- 設計・施工段階共に、意匠・構造・設備の各分野の調整不足により、現場段階で意図しない追加変更項目への対応が発生することが多い。
- 豪雨時の排水計画や防水仕様に対する技術力が不足しており、洪水による浸水、雨漏り、劣化が発生しやすい。
- 建設現場作業員の多くは、インドネシア各地の田舎からの出稼ぎ労働者であり、熟練した職人の確保が難しい。そのため、設計段階から複雑な納まりや仕様は避け、シンプルで分かり易い工法とすることが重要である。
- 都市部ではない建設地の場合、工場からの材料調達時の品質やスケジュール管理システムが未熟な場合が見受けられ、出荷前、納品時の検査体制を整える必要がある。
- 安全や環境に配慮した施工計画への意識が不足しているため、現場の事故には注意が必要である。
上記のような理由により、プロジェクト全体を調整し、まとめる役割が重要となります。
インドネシア政府の動向
インドネシア国家規格取得を義務付け、その対象製品/商品あるいはサービスの品目を増やす動向がある。
ゼネコンリスト
インドネシアに在籍する国内ゼネコンと日系ゼネコンをまとめております。
結論、まとめ
- 人口 約2.78億人の巨大市場を持ち、GDP成長率5%前後で今後も成長が期待されている。
- インドネシアの設計・施工技術は途上であり、十分に管理を行うことが重要である。
- 建築士制度に従い、法令順守をしているかを確認するとともに、環境規定など規定を十分に確認することが必要である。
インドネシアへ建設投資をご検討中の皆様へ、
Plus PM Consultant Sdn. Bhd.は建設コンサルタントとしてコンストラクションマネジメントの手法を用いてプロジェクトマネジメントを提供しております。
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本記事はPlus PM Consultant Sdn. Bhd.がインドネシアパートナー企業への取材、および以下参考・参照の情報をもとに作成しています。
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